目が覚めると目の前には
いつもの見慣れた天井があった
夢か・・・と思いつつも
はっきりと残る月の砂の感触
月から見る美しい地球
そして
アサとの会話を鮮明に覚えている
これは夢じゃない
僕は確かに月にいた
時計を見ると昼の13時を過ぎていた
ふと
散歩に行こう
そう思った
引きこもってから1年半が
過ぎていた
僕は着替えて
玄関に立った
いつもはここで吐き気と得体の知れない
恐怖に襲われ外にでるのを
ためらっていたのだが
今日は大丈夫だった
ドアノブに手をやった
いつも難なく開け閉めしていたドアが
妙に冷たく重く感じた
ドアを開けると
外は快晴で太陽の光が
僕の眼を刺激した
僕はすぐに目を閉じその
痛みを感じていた
一歩一歩と足があることを
感じながら歩いた
たったこれだけの事で
泣きそうになった
いつもは気にならなかった
車の雑音に
とても不快感を感じ
それとほぼ同時に
いつもは気にも留めなかった
風の音、木の葉の揺れる音、鳥の鳴き声
川の音が
とても居心地よく感じた
彼らは地球と調和し
いつも音を奏で
歌い
語りかけている
しかし人間は
雨が降れば文句を言い
台風がくれば愚痴を言う
自然に起こる事を災害と言っては
恐怖を煽り
自然を悪のように扱う
古代に生きていた人達や
原住民は宇宙を感じ
地球と会話し
自然と調和し
自然の声を聴いていたのだろう
僕たちは進化じゃなく
退化していってるの
ではないだろうか
そんな事を考えながら僕は
散歩をしていた
つづく?
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